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山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 矢板 毅; 吉村 崇*; 奥村 雅彦; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
環境化学や核医学などの分野で重要な元素であるラジウム(Ra)については、安定同位体が存在しないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、Raの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。さらに人形峠旧ウラン鉱床周辺のコア試料分析を行い、環境中Raの挙動を調べた結果、分子レベルの吸着構造と整合する結果を得た。
永田 光知郎*; 山口 瑛子; 小林 徹; 下条 晃司郎; 横山 啓一; 谷田 肇; 矢板 毅; 高橋 嘉夫*; 吉村 崇*
no journal, ,
ラジウム(Ra)はカルシウムと同族のアルカリ土類金属であるため、体内に取り込まれると骨に特異的に吸着する。Raを用いたがん治療はこの性質を利用しており、骨に転移したがんをターゲットに治療が行われる。今後、より効果的な薬を開発するには、骨に吸着したRaの化学状態の解明が必須である。本研究では、骨芽細胞を培養して得られたヒドロキシアパタイト(HAp)にRaを吸着させ、RaのL吸収端で広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定を行うことで、その局所構造の情報を得た。また、合成Hapや同族のバリウムでの局所構造と比較した結果についても併せて報告する。
蓬田 匠; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)廃炉作業の一環として、原子炉建屋に存在する滞留水の処理が進められている。原子炉建屋の滞留水からは、下流側の建屋の滞留水と比較して、より高い濃度の核種が検出された。今後、原子炉建屋の滞留水の処理を進めるにあたり、核種を効果的に除去する技術を検討する必要がある。その検討の前提となる核種の存在状態の把握を目的に、2号機トーラス室の滞留水に含まれる粒子状核種に焦点を当て、その粒子サイズや化学形態等の分析・調査を行った。SEM-EDXやトラック法を用いて核種を多く含む粒子を検出した結果、Uは数百nmから数m程度の粒子状で、その他の核種(Pu, Am, Cm)は鉄酸化物粒子上に多く分布することを明らかにした。
蓬田 匠; 山田 真也*; 一戸 悠人*; 佐藤 寿紀*; 早川 亮大*; 岡田 信二*; 外山 裕一*; 橋本 直; 野田 博文*; 磯部 忠昭*; et al.
no journal, ,
黒雲母は、人形峠や東濃の旧ウラン鉱床中でウラン(U)を保持するホスト相として知られており、黒雲母中に含まれるUの分布を調べることでUの濃集・長期固定化に関する知見が得られると期待される。しかし、黒雲母は蛍光X線の分析時に測定妨害となるルビジウム(Rb)を含んでおり、通常の半導体検出器を用いた測定では、黒雲母中での正確なU-Rbの分布状態の把握が困難であった。本研究では、超電導転移端センサー(TES)をマイクロビーム蛍光X線分析時の検出器として用いる手法を開発した。TESを検出器として用いることにより、約20eV程度のエネルギー分解能での蛍光X線の検出が可能となり、従来通常の半導体検出器でピーク分離が困難だった13.373keVのRb K線と13.612keVのU L線を完全に分離できた。そのため、開発した手法を用いることによって、黒雲母中での正確なU-Rbの分布状態の把握が可能になった。
佐々木 祥人
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が環境中に放出された。福島県の県土の約70%を占める森林においても半減期が長い放射性セシウムが残存している。本報告では、広葉樹林の林床および樹体における放射性セシウムの分布、広葉樹林内で採取した野生キノコの子実体への放射性セシウム移行について報告する。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
Sr-90はCaと類似した化学的性質を持ち、体内へ取り込まれた後は骨や歯へ局所的に沈着するため、福島第一原子力発電所(1F)事故以降、その環境移行や体内代謝に関する研究に関心が集まっている。レーザーアブレーション(LA)-ICP-MSは、優れた感度と空間分解能を持つ固体直接分析法のため、分析対象物表層の元素分布を画像として取得するイメージング分析に有用だが、Sr-90と近い質量電荷数比(m/z)を持つ同重体イオンや多原子イオンによるスペクトル干渉のため、微量のSr-90を正確に検出することは困難だった。本法では、ダイナミックリアクションセル(DRC)を備えたLA-ICP-MS/MSを用いることで干渉元素共存下でも試料表面のSr-90分布状況を把握できることを示した。
加藤 友彰; 大貫 敏彦; Yu, Q.*
no journal, ,
微生物細胞を還元剤として過マンガン酸イオンの還元により生成したマンガン酸化物(biomass-MnOx)生成過程におけるアルカリ土類金属除去機構の解明を行った。biomass-MnOx生成過程におけるアルカリ土類金属除去は初期のコロイド生成過程における金属の収着と、その後の凝集に伴う収着した金属の溶出が伴う機構であった。また、除去量は水和イオン半径に依存することが明らかとなった。
春間 俊克*; 山路 恵子*; 中本 幸弘*; 土山 紘平*; 高橋 嘉夫*; 田中 万也; 香西 直文; 福山 賢仁*
no journal, ,
本研究では、ヨシの重金属耐性による水質浄化作用に着目し、内生細菌が関与するヨシの重金属蓄積機構を明らかにすることを目的とした。具体的には、ウラン鉱山跡地の鉱さいたい積場に自生するヨシを採取し、重金属元素の分析を行った。その結果、節根に高濃度の鉄,マンガン及びウランを蓄積しており、特に鉄プラークを形成する節根での蓄積が顕著であった。このことから、鉄プラークはヨシにおける主要な重金属蓄積部位と考えられた。こうした鉄プラークの形成には内生細菌の産生する有機化合物(siderophore)が関与していると考えられることから、ヨシの節根から内生細菌を分離してsiderophore産生能を評価した。分離された837菌株の内生細菌のうち88.6%に当たる742菌株がsiderophore産生能を示した。以上のことから、siderophoreを産生する内生細菌は鉄プラークの形成に寄与し、ヨシの重金属蓄積に重要な役割を果たしていると考えられる。
田中 万也; 金指 努*; 竹中 千里*; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
本研究では、樹木中の放射性Csの化学状態を明らかにするために安定Csを吸着させた試料のEXAFSスペクトル測定を行った。具体的には、福島県における代表的な常緑樹であるスギ・アカマツ及び落葉広葉樹であるコナラ・コシアブラをそれぞれ研究対象とした。採取した樹木試料を樹葉,樹皮,心材,辺材の部位ごとに切り分け粉砕し、安定Csを吸着させた。各試料のEXAFSスペクトルを解析した結果、すべての樹種の各部位に対してCsが外圏型錯体を形成して吸着していることが明らかとなった。外圏型錯体が比較的弱い吸着形態であることや、樹幹流や樹液中の他の陽イオン(KやCaなど)との競合を考えると、実際の樹木組織にはCsはほとんど吸着しないと考えられる。以上のことから、福島の森林においても樹木中に取り込まれた放射性Csは、動きやすい化学形態(例えばCsイオン)を保ちながら樹体内を転流していると解釈出来る。こうした解釈は、実際に報告されている観測事実と整合的である。
安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 宇佐美 秀彦*
no journal, ,
保障措置環境試料分析手法で用いられるプルトニウムやウラン粒子の同位体組成分析は原子力施設等における未申告活動を検知する手段として重要であり、アルファ壊変により放出されるアルファ線の飛跡を検出するアルファトラック(T)法や、中性子誘起核分裂により生じる核分裂片の飛跡を検出するフィッショントラック(FT)法が多用されている。しかしながら、これらの方法は粒子の位置情報を得ることのみを目的としているため、核物質の組成や量の想定は困難であった。本発表では、同じ範囲を対象に各トラック法を適用し、それにより得られた個々の粒子に由来するT数とFT数のデータを組み合わせることで核物質の組成を推定し、粒子の高感度かつ選択的に検出する手法を開発した。ポリカーボネイト製フィルムに閉じ込めた粒子試料を作成し、それぞれのトラック検出材の飛跡を重ねて観察することで、保障措置上重要性の高いプルトニウムや高濃縮ウランを含む粒子の高感度で選択的に検出することが可能となった。
富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ
no journal, ,
保障措置環境試料中のウラン(U)粒子の同位体比を測定することによって同位体濃縮や再処理の有無等の保障措置上重要な情報を読み取ることができる。ピコグラム量のU同位体測定では、Uを測定しているファラデーカップからの出力電圧が低くなるため、同位体比を精度よく測定することは困難であった。本研究では、溶液量を0.2mL(従来の10分の1)に調製することでU濃度を高くし、ICP-MSに導入する方法を検討した。少量の溶液全量をMC-ICP-MSに導入するため、試料吸入開始直後から溶液が無くなるまでデータを取得し、得られた同位体のシグナル強度のうち空気混入の影響を除いて同位体比を算出する方法について考察した。CRM U015(U:1, 2, 8pg)及びIRMM184(2, 20pg)を測定した結果、いずれの溶液についても保証値と相対標準偏差の2倍以内で一致した。本手法では、U/U及びU/U比を従来よりも小さい相対標準偏差で測定可能となった。
富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
no journal, ,
環境試料中に存在する微小ウラン粒子に対する同位体比をマルチコレクター型大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で正確に分析するためには、ウラン同位体組成が既知のウラン標準粒子を用いて、感度やマスバイアスの違いなどを補正することが必要である。ウランを含む標準粒子の製造は同位体組成が既知のウラン標準溶液のエアロゾルを乾燥させて得る手法を主として用いている。しかし、霧状のウラン標準溶液から粒子を製造するには特殊な設備が必要であり、容易に製造することができないため、入手可能な標準粒子の同位体組成は限定されてしまう。そこで、ウラン同位体標準溶液を多孔質の微細シリカ粒子に浸透させることで同位体標準粒子と同等の試料を作成する簡便な方法を発案するとともに、LG-SIMSにおける同位体標準粒子として利用することを目指した。得られた含浸シリカ粒子をガラス状炭素の試料台に乗せて、LG-SIMSの二次イオンイメージ機能を用いてウランを含む粒子の位置を特定したのち、ウラン同位体組成を測定した。含侵粒子のウラン同位体組成測定結果は、同位体標準溶液の保証値に対して標準偏差の1範囲で一致する良好な結果が得られた。このことから、本実験から既存の標準溶液を利用して簡便な方法でウラン同位体の測定標準粒子を作成することが可能となった。
矢板 毅
no journal, ,
1990年代からKEK PFBL27でのアクチノイドなど放射性核種への放射光利用がはじまり、講演者はその初期から、PFをはじめ、SPring-8のJAEA専用ビームライン、米国LBNLのALS等により研究を継続してきた。アクチノイドの研究は、放射性物質であるという制約が大きい中で微量の物質利用で研究が進められるわけであるが、高輝度放射光は、極めて大きなツールの一つとなり得る。本発表では、関与してきた研究トピックスをいくつか紹介しつつ、今後の計画などについても紹介する。
大澤 崇人; 二宮 和彦*; 中村 智樹*; 高橋 忠幸*; 寺田 健太郎*; 圦本 尚義*; 野口 高明*; 岡崎 隆司*; 薮田 ひかる*; 奈良岡 浩*; et al.
no journal, ,
2020年から2021年にかけてJ-PARC行われたミュオン捕獲特性X線分析の実験について報告する。4回の予備実験を経て分析手法は大幅に発展し、2021年7月に小惑星リュウグウの試料の分析に成功した。その経緯について放射化学的視点から解説する。
青木 涼太; 佐藤 哲也; 内馬場 優太; 宮地 優太*; Gong, G.; 名取 日菜*; 伊藤 由太; 浅井 雅人; 塚田 和明; 永目 諭一郎*
no journal, ,
原子番号が100を超える超重元素のイオンビームを物理・化学研究に応用するため、短寿命単一原子に適用可能な新しいイオン源としてEBGP(Electron Beam Generated Plasma)イオン源を構築した。本EBGPイオン源を、オンライン同位体分離器(Isotope Separator On-Line: ISOL)用に装着し、各種貴ガスを用いて、イオンビーム生成条件の探索を行った結果、イオン源が安定して動作することを確認するとともに、イオンビームが生成できることを確かめた。
内馬場 優太; 伊藤 由太; 佐藤 哲也; 青木 涼太; 浅井 雅人; Gong, G.; 宮地 優太*; 永目 諭一郎*; 名取 日菜*; 塚田 和明
no journal, ,
原子番号が104以上である超重核の精密質量測定を見据え、崩壊分光による測定対象イオンの事前同定や崩壊情報との相関による質量決定の確度向上を目的としたイオントラップの開発を進めている。トラップされた不安定核イオンからの放射線を大立体角で捉えるために、一般的な円形電極とは異なり薄い板状のベーン電極を用いたベーン電極型イオントラップを開発した。性能の指標として、トラップ寿命や蓄積電荷量について円形電極型イオントラップと比較し評価を行った。
Liu, J.; 土津田 雄馬; 北垣 徹; 高野 公秀; 香西 直文; 大貫 敏彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃止措置に向けては、微生物による燃料デブリや構造材の経年変化リスク評価の観点から、微生物が燃料デブリの溶解へ与える影響を把握しておく必要がある。本研究では、液体培地に模擬燃料デブリ(UO/Fe(0))と自然に広く存在する細菌を静置し経時変化を調べた。実験後の分析結果から、本実験の条件においては細菌により燃料デブリの溶解が促進されることを確認した。
前田 亮; 藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 遠藤 駿典; 中村 詔司; 木村 敦
no journal, ,
即発線分析(PGA)では中性子を試料に照射し測定対象核種を励起させ、脱励起の際に発生する線を測定することで試料中の核種を定量する。J-PARC BL04 ANNRIでは入射中性子として冷中性子から熱外中性子までのエネルギーを用いたPGAが可能で、さらに飛行時間法(TOF)を利用して入射中性子エネルギーを測定しながらPGAを行うTOF-PGAを実施することができる。その特長として、熱中性子以外の中性子も利用することで、高い検出効率や難測定核種に対する優れた弁別性能を実現している。PGAは正確度の高い非破壊分析手法だが、熱中性子以外の中性子を利用して散乱断面積の大きな核種を含む試料を測定すると正確度が低下する。これは散乱により中性子のエネルギーが変化し、測定感度(線計数/標的核種量)が変わるためで、同じ標的核種量であっても得られる線計数が異なってしまい、不確かさが増加する。測定感度は試料の散乱物質の密度によって30%以上変化するため、一般的に数%の不確かさで測定可能なPGAにおいてその影響は非常に大きい。本発表では、この密度の影響の補正法開発と、シミュレーションとANNRIを利用した実験により、その有効性を評価した結果について報告する。
前原 勇志; 永岡 美佳; 二瓶 英和*; 藤田 博喜; 大野 雅子*
no journal, ,
従来線計測試料作製方法としては、電着法を用いていた。しかし、危険物である過塩素酸を取り扱うこと、高価な装置が必要であること及び試料作製に比較的時間を要する欠点があった。そのため、電着法に替わり、安全性が高く、迅速に分析が可能な水酸化セリウム共沈法の運用を目指し、最適な計測試料の作製条件を検討した。先行して、Am, Cmを対象とし、検討した結果、水酸化セリウム共沈法を用いることで、処理時間の迅速化及び分析精度も高いことが確認できた。
風間 裕行; 関尾 佳弘; 前田 宏治; 小山 真一; 鈴木 達也*; 小無 健司*; 阿部 千景*; 永井 康介*
no journal, ,
燃料デブリ中のアクチノイドを高精度かつ迅速に分析するために、ICP-MS/MSの利用を検討している。本研究では、アクチノイド同重体の干渉除去に向けた基礎的知見を得るために、セル内で生じる反応ガスとの気相反応に着目し、Th, U, Np, Pu, Am, Cmを使用したICP-MS/MS測定を実施した。各生成イオンの検出傾向から、アクチノイド系列のセル内での気相反応挙動を予測可能とする相関関係を見出した。